街と村 ご紹介

花花

レクサムAFC   Wrexham AFC
               2011年9月27日 訪問  水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。

サッカーとは浅からぬ縁がある。小・中学校時代は野球をやっていたが、 高校はサッカーの名門校で在学当時に全国高校選手権大会2連覇を果たすなど優勝歴4回の学校だ。もちろん校技はサッカーだ。 体育の授業は大半がサッカーだった。昼休みには1つのグラウンドで各学年が3つのボールを追って6チームがサッカーを楽しむような学校だった。 (理解できるだろうか?)だから自然の流れで大学(単科大学で1学年に男子が40名しか居なかったが)では4年間サッカー部に在籍した。 社会人になって途絶えたが、40歳で地元のおっさんチームに復活し、地域の小学生少女チームのコーチも6年間務めた。 この少女達が東京都大会で7連覇を成し遂げるほど強かった。楽しい思い出だ。再びサッカーから離れてもう20年以上も経ってしまった。
しかし、サッカー観戦はとんとしない。母校が全国大会に参加すれば(最近は少なくなった)応援に行く程度で、Jリーグの観戦歴0だ。 せいぜい、A代表の試合をテレビ観戦する程度だ。
サッカーの発祥の地はイギリスだ。その地のサッカーはどんなものか? あのジェントルマンがフーリガンと化すのは何故か? 一度観戦したいと思った。 この旅の訪問地ピークディストリクトはマンチェスター(Manchester)に近い。チケットが取れれば1晩くらい近郊に泊まって観戦したいと情報を集めると マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)やマンチェスター・シティ(Manchester City)のチケットはプラチナ・チケットで手に入れようもない。 一度は諦めたものの、宿を決めてから宿泊地から近い都市でのサッカーの試合の日程の検索を重ねた結果、レクサムAFCの今日の試合のチケットが手に入りそうだ。 更に調べると、なんとレクサムが所属する”カンファレンス・ナショナルリーグ”はトップの”プレミアリーグ”から数えて5部リーグに当たるのだ。 上位に”92チーム”も存在することが判明する。そんな下位チームの試合を見ても仕方がないかとは思ったが、物は試しとチケットを取った。 普通の指定席で一人£10とお安い。

広大なパーキングも併設されている。試合終了後暗くなっても車を見失わないよう、目印となるものを探ししっかり記憶する。 レセプションでオンライン予約のコピーを示すと、箱の中の沢山の封筒の中から我々のチケットを探し出してくれた。アナログだ。 キックオフまでまだ1時間以上ある、次々押し寄せるサポーターなど眺めていたら係員らしき男が「チケットは持っているのか?」と訊ねてきた。 チケットを見せると「席はあの入り口を入ったところだ。時間があるから、そこのドアーを入るとバーがあるからそこで休むと良い」と案内してくれる。 ビールをいただいて入り口に近い一段高くなった席に座り時間をつぶす。チームカラーの赤を身に着けた老若男女が詰め掛けてくる。 家族で応援しているのだろう。子供連れが多い。日本人観客は珍しいのだろう。ドアーを開けて我々と目が合うとドキッとした顔をする。
30分前に席に座る。予想したより大きなスタジアムだ。バックスタンドはまだ人が少ないが、メインスタンドは結構な入りだ。 練習時から声援が飛んでいる。ホームチームの選手紹介では大声援だ。因みに対戦相手は"Mansfield Town"だ。この旅の最初に訪れた Newstead AbbeyやHardwick Hallの近くの街だ。
妻の隣に座ったのは品の良い小柄なご婦人だ。「どこから来たの? もちろんレクサムを応援してくれるわね?」と声を掛けてくる。 旦那がレクサムAFCの関係者だということで毎試合応援に来るのだという。大勢の人が挨拶をしていく。周りでも挨拶が飛び交っている。 皆常連で知り合いなのだろう。後ろの席の男性からも「どこから来た。レクサムを応援だろうな」と強圧的だ。 マスコットも登場、定刻の19時45分試合開始だ。

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かなり高い離れた席ではあるが、選手が大きいので迫力を感じる。臨場感がすごい。周りのサポーターにつられてレクサムのプレーに力が入る。 右手を振り上げ「レクサ!、レクサ!」の絶叫だ。しかし、情勢は押され気味だ。品の良いご婦人と目が合う度に顔をしかめて「ダメね」とか「ヘタね」と嘆く。 案の定、先制された。それでも良いプレーには拍手で称える。選手のほうもプレーが機敏だ。ボールボーイが少ないから予備ボールが直ぐに来ないことがあるが、 走って拾いに行き、プレーが止まることがない。タッチライン沿いに給水ボトルを並べ、度々給水することがないのが良い。私はこの給水シーンが嫌いだ。 何かとプレーを遅らせる行為だし、嘗てはこんな軟なまねは出来なかった筈だ。
メインスタンドの一角にひときわ声援の大きな集団が居る。熱狂的サポーターの席らしい(写真下左)。相手の好プレーやミスに強烈なブーイングを入れる。 そのくせ、自チームのミスには寛容だ。レクサムに不利な審判の判定(私の目では公平だが)には猛烈なブーイングだ。 これが高じるとフーリガンになるだろうことが実感できる。それでも同点に追いついて前半を終わった。
ハーフタイムでもビールの売り子などやってこない。周囲でも飲食物を持ち込んでいる人はほとんど居ない。これが観戦マナーなのだろう。
1列前左手が放送席だった。3組の実況スタッフが放送をしている。耳を澄ませて聞いていると猛烈な早口でしゃべっている。もちろん意味は分からない。
後半も先制されてしまう。レクサムは後半のほうが動きは良くなったのだが、一瞬の隙を衝かれた。チャンスはあるのだが、得点できない。 残り時間5分、席を立つ人も出始めた。試合終了まで見てしまうとパーキングから車を出すのが混雑するだろう。隣のご婦人に挨拶して席を立つ。 スタジアムを出て車に向かっていると大歓声が上がった。どうやら2対2に追い着いたようだ。「レクサ!、レクサ!」の連呼だ。
車に乗りナビ子ちゃんをセットして出発したが、すでに混雑している。その内、試合が終わり出てきた歩行者が横暴だから車が動けないのだ。
ところで、今回のレンタカーでは不都合がもう一つあった。前照灯の角度が悪いのだ。手前を照らし過ぎるので、先が見え辛く怖い。 かといって、ビームにすれば対向車に迷惑が掛かるし、抗議のパッシングもされる。速度を落としての運転しかできない。 こればかりは昼間の始業点検では分からないから困ったことだ。
ホテルには遅くなる旨伝えてきた。「レセプションは24時間開いています」とのことだから心配ない。22時15分ホテル着。長い一日だった。

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後日談 : 日本のJリーグを見ずしてイギリスの5部リーグは語れまい。J2ではあるが、2011年11月12日の味の素スタジアムの FC東京対水戸ホーリーホックの試合を見てきた。まず値段が高い、安い指定席で一人3500円だ。しかし、スタジアムは断然味の素が綺麗だ。
肝心のサッカーだが、迫力がない。シュートを打たないのだから点が入るわけがない。前半は特にひどかった。互いにボールを回すだけで、 スピード感はないしワクワクするものはない。サポーターものべつ幕なし騒がしいだけで声援にメリハリが欠ける。
後半になってベテランI選手が入り、外人選手が入ってFC東京の動きが良くなった。特に二人の外人選手の動きが良い。 後半2点を取り、FC東京が勝った。これでJリーグ昇格に大手が掛かったという。
結論 レクサムの試合と味の素での試合を比べたら断然レクサムでの試合が見応えがあった。”サッカーは点を取らなければ勝てない”のだ。 ”点を取るためにはシュートを打たなければ入らない”のだ。プロチームなら目標は優勝しかないと思うのだが・・・。
文句を言いながらも生の臨場感は良い。自転車で通えることだし、来期はJリーグの試合が見られそうだ。また観戦しよう。

Information
 Address  Wrexham, North Wales
 Telephone  -
 Web Site  Wrexham AFC

詳細はWeb Siteなどでご確認ください。

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